2024年にゼンスイから満を持して発売された『Bar Type SOLARIUM UV LED(バータイプソラリウム)』は、爬虫類飼育に便利なLEDタイプのUVA・UVBライトです。
これまで、爬虫類飼育に必要な紫外線ライトは高圧水銀・メタハラ・低圧水銀型のランプが主流でした。しかし紫外線を発光するLEDの登場により、これまでのライトより小型で低消費電力、長寿命を実現できるようになり、注目を集めています。
この記事では、バータイプソラリウムの詳細や使い方、実際に使ってみた感想を紹介します。
爬虫類用紫外線ライト『バータイプソラリウム』とは
ゼンスイが販売するバータイプソラリウムは、爬虫類飼育に必要な紫外線を照射するLEDライトです。
紫外線には、UVAとUVB、UVCの3種類があります。UVCは地球を覆うオゾン層で吸収され、地表には届かないため、爬虫類飼育では考慮しなくてもよい紫外線とされています。
一方、UVAとUVBは爬虫類飼育で重要な紫外線で、昼行性のトカゲやヤモリにとって必要不可欠な存在です。特にUVBは、紫外線ライトを設置したり日光浴させたりする必要があります。
バータイプソラリウムは、UVAとUVBを含めた太陽光をLEDで再現できるライトです。野生下に近づけることができるため、より自然な環境で飼育できます。
紫外線ライト『バータイプソラリウム』のメリット
では、バータイプソラリウムは従来の紫外線ライトとどこが違うのでしょうか?
太陽光を再現できる以外に、バータイプソラリウムを使うメリットを紹介します。
コンパクトで設置スペースが狭くても取り付けやすい
バータイプソラリウムはランプによる紫外線ライトではなくLEDを使用しているため、従来の紫外線ライトよりコンパクトです。本体サイズは、以下のとおりとなっています。
モデル | 200 | 400 | 700 |
長さ | 20cm | 40cm | 70cm |
奥行 | 5cm | 5cm | 5cm |
厚さ | 2.7cm | 2.7cm | 2.7cm |
重さ | 160g | 300g | 500g |
注目したいのは、バータイプソラリウムの厚みです。
電球型の紫外線ライトをケージの外に設置する場合、ケージの上に電球とソケットのスペースを空ける必要があります。たとえば、GEXのレプタイルUVB 13Wは長さが約14cm、コンパクトトップに横向きにセットしたとしても最低9.5cmのスペースを取ってしまいます。
バータイプソラリウムは厚さが2.7cmとコンパクトなため、ケージ上のスペースが少なくてすむことがメリットです。ラックでケージを重ねる場合に、従来の紫外線ライトと比較してスペースを節約して、より多くのケージを置けるようになります。
節電になり電気代が安くなることも
バータイプソラリウムはLEDのため、従来のメタハラを利用した紫外線ライトと比較して省エネになります。各商品の消費電力と電気料金の目安は、以下のとおりです。
モデル | 200 | 400 | 700 |
定格消費電力(全灯時) | 8W | 12W | 22W |
1か月の電気料金目安 (1日8時間照射/30日・1kwh=25円) | 約48円 | 約84円 | 約132円 |
昼行性でより強い紫外線を必要とするトカゲを飼育する場合は、ワット数の大きいライトが必要となります。あるいは紫外線ライトを複数個用いるため、その分の電気代がかかってしまうのが難点です。
しかし、バータイプソラリウムはアガマ系やリクガメなど、比較的強い紫外線を必要とする爬虫類にも1灯で対応できるため、総合的に電気代を節約できることがあります。ケージの大きさによっては2灯が必要になることもありますが、90cmケージまでなら700一つでも対応可能です。
寿命が長い
LEDを用いているバータイプソラリウムは、紫外線量が50%以下になる基盤の寿命が5,000〜7,000時間と長いこともメリットです。
一般的に、従来型の紫外線ライトはメーカーが1年程度で交換を推奨しているため、1年に1回は交換球を購入する必要があります。一方バータイプソラリウムは、1日8時間使用して5,000時間で交換する場合で約20か月、7,000時間で交換する場合は約29か月と長寿命です。
紫外線ライト『バータイプソラリウム』のデメリット
バータイプソラリウムは、次世代UVLEDとして注目されていますが、一方でデメリットもあります。
購入を検討している場合は、デメリットも知っておくことが大切です。
本体や交換基板が高価
バータイプソラリウムの本体と基板は、従来の安価な紫外線ライトより価格が高いことがデメリットです。
本体+基板の価格は200が10,000円前後、400が15,000円前後、700が20,000円前後となっています。交換基板は200が8,000円前後、400が12,000円前後、700が18,000円前後です。
一方、GEXのレプタイルUVBは2,000〜3,000円が相場で、ソケットは約2,000円からとなっており、ライトとソケットで5,000円程度から揃えられます。交換球を毎年買い替えたとしても2年で1万円以下のため、バータイプソラリウムの方がコストがかかります。
しかし、従来型の紫外線ライトを自動で管理するためには、別途タイマーが必要です。スマートプラグやタイマー付きコンセント、タイマーサーモなどを購入すると2,000円〜10,000円程度の費用がかかります。
バータイプソラリウムにはタイマー機能のあるコントローラーが付いているため、別にタイマーを購入する必要はありません。
照射位置が調節しにくい
バータイプソラリウムだけでなく、直管タイプの紫外線ライト全般に言えますが、照射位置を調節しにくいこともデメリットです。
紫外線は照射距離によって減退するため、特に強い紫外線が必要な爬虫類にとって設置位置は重要です。電球タイプの紫外線ライトは、ソケットやカバーの形状を選んだり、アームを伸縮させたりすることで照射位置が調節しやすくなります。
しかし、バータイプソラリウムはケージ上に乗せるか、天井部分にネジで取り付けるしかありません。ケージ内部での位置調整は自分で工夫する必要があるため、ケージの形状によっては適切な位置に設置しにくいケースもあります。
バータイプソラリウムの購入前に知っておきたいポイント
バータイプソラリウムを購入する際、どんな爬虫類に使えるのか、どんな使い方をするのかを知っておく必要があります。
使用する爬虫類に適したファーガソンゾーンを知る
ファーガソンゾーンとは、爬虫類が野生下でどれくらいの太陽光を浴びているかの研究にもとづき、種類ごとに必要な紫外線料を分類したものです。
- ZONE1:夜行性で日中は日陰に生息する種類
- ZONE2:たまに、あるいは朝方夕方にバスキングする種類
- ZONE3:昼行性で朝や夕方、日中にバスキングする種類
- ZONE4:主に日中にバスキングする種類
一例として、以下の表を参考にしてみてください。
ファーガソンゾーン | ZONE1 | ZONE2 | ZONE3 | ZONE4 |
対応する爬虫類・両生類の種類 | ヒョウモントカゲモドキ クレステッドゲッコー ヘラオヤモリ系 アカメカブトトカゲ トッケイ グリーンパイソン ツノガエル ヤドクガエル マダライモリ ウーパールーパー など | アオジタトカゲ モリドラゴン バジリスク カイマントカゲ ジャクソンカメレオン ジャイアントゲッコー ニシアフリカトカゲモドキ ニオイガメ ボールパイソン セイブシシバナヘビ カーペットパイソン など | フトアゴヒゲトカゲ テグー オニプレートトカゲ グリーンイグアナ ホウセキカナヘビ リッジテールモニター エボシカメレオン ヒョウモンガメ ヘルマンリクガメ ギリシャリクガメ クサガメ ヒルヤモリ など | アガマ系 サバンナモニター マルギナータリクガメ など |
設置位置とモード設定を考える
繰り返しになりますが、紫外線は照射距離が離れるほど届く紫外線量は少なくなります。バータイプソラリウムを設置する際は、前述のファーガソンゾーンをもとに照射位置を検討する必要があります。
また、バータイプソラリウムの基本設定として4つのモードも理解しておきましょう。
たとえば、ファーガソンゾーンがZONE3に該当する爬虫類でも、設置位置が30〜45cmの場合ではバータイプソラリウムはMODE4に設定します。
モード | 設置位置 | ファーガソンゾーン |
MODE1 | 15〜30cm | ZONE1 |
MODE2 | 30〜45cm | ZONE1 |
15〜30cm | ZONE2 | |
MODE3 | 30〜45cm | ZONE2 |
20〜30cm | ZONE3 | |
MODE4 | 30〜45cm | ZONE3 |
20〜30cm | ZONE4 |
バータイプソラリウム400の購入レビュー
今回購入したのは、長さ40cmのバータイプソラリウム400です。
使用するのは、ボールパイソンの90cmケージ。夜行性のボールパイソンは、一般的に紫外線は必須ではない爬虫類ですが、より自然に近い環境で飼育したいためバータイプソラリウムを導入しました。
まず、ケージへの取り付け方法ですが、ケージ上に置くか天井にネジで固定するか迷いました。天井に固定する場合は木部にネジを打ち込む必要があるのと、冬に暖突も取り付けることを考えると干渉しないよう取り付けなくてはなりません。そのため、ひとまずはケージの外側から照射することにしました。
ボールパイソンのファーガソンゾーンはZONE2ですが、この場合は中のボールパイソンまでの距離が40cm近くになるため、バータイプソラリウムのモードはMODE3が適切です。しかし、まずはMODE2に設定して使ってみることにしました。
設置は少々面倒くさい
今回はケージの上にバータイプソラリウムを置くだけでしたが、ケージ内にネジで固定しようとすると一度天井を外したり、ケージをひっくり返して設置する必要があります。天井が金網であればネジでの固定もスムーズかもしれませんが、ガラスやアクリルの場合はひと工夫する必要がありそうです。
また、リクガメ飼育で使われる衣装ケースやトロ船などの天井が空いているケージでは、バータイプソラリウムは相性が悪いかもしれません。トロ船や水槽は圧倒的にクリップで挟むタイプのソケットが使いやすいでしょう。
モードの設定は楽
付属のコントローラーで決まったモードだけでなく、オリジナルモードも設定できます。「細かいことはわからない」という場合は、あらかじめ決められている4つのモードから、使用する爬虫類のファーガソンゾーンに合わせて選ぶだけでOKです。
点灯時間も自動で設定されるので、小難しいセッティングがなくすぐに使い始められます。
より自然に近い飼育環境を目指すならバータイプソラリウムがおすすめ
単純に紫外線を照射したい場合は、従来型の紫外線ランプで問題ありませんが、太陽光を再現するバータイプソラリウムはより自然に近い環境で爬虫類を飼育するのに適しています。
飼育している爬虫類が、野生下と似たような環境でのびのびと過ごす姿を観察したいなら、バータイプソラリウムはおすすめの紫外線ライトです。