アダルト個体を冬眠させるなどのケースを除き、一般的にリクガメ飼育にはヒーターなどの保温器具が欠かせません。
本記事では、なぜリクガメ飼育に保温器具が必要なのかを解説したうえで、おすすめの保温器具を紹介します。
リクガメ飼育に適した温度は?
多くのリクガメにとって最適な温度は、25〜35℃です。
アダルト個体は夜間温度が25℃程度でも問題ないことが多いのですが、特に甲長10cm以下のベビーは低温で肺炎などの病気になりやすいため、1日中30℃以上を保つことをおすすめします。
ただし、ホットスポット直下を32〜35℃にして、涼しい場所でも28℃程度に設定することは問題ありません。あくまで、一番暖かい部分を30℃以上に保つ必要があるということです。
リクガメの種類によっては、冬季の冬眠が可能な場合があります。冬眠が可能とされている主な種類は、以下のとおりです。
- ヘルマンリクガメ
- ロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ、ヨツユビリクガメ)
- ギリシャリクガメの一部
- マルギナータリクガメ(フチゾリリクガメ)
ただし、上記のリクガメであっても冬眠に適していない個体群もいます。たとえば、ギリシャリクガメは生息域が広く、住んでいる地域の環境によっては冬眠に向いていない亜種も存在します。
また、冬眠には一定の体力が必要になるため、ベビー〜ヤング個体を安易に冬眠させることはおすすめできません。無理に冬眠させてしまうと、そのまま亡くなるリスクがあります。
以上の理由から、余程の飼育技術がないかぎり、冬季も室内で暖かい状態にして飼育することを推奨します。
リクガメに必要な保温器具の種類

冬眠させない限り、リクガメ飼育に保温器具は欠かせません。ここでは、リクガメに適した保温器具を紹介します。
保温球
リクガメ飼育で、最も一般的な保温器具が保温球です。
形はメーカーにより異なりますが一般的には電球型をしており、赤外線を照射して周囲を温める機能を持ちます。保温球を使用するためには、ソケットやスタンドと呼ばれる器具に接続する必要があります。
保温球は、大きく分けて以下の2種類です。
- 散光タイプ:広範囲を温めることができる
- 集光タイプ:バスキングランプとも呼ばれ、一部を集中的に温められる
昼間は集光タイプの保温球、夜間は散光タイプの保温球と使い分けてもよいですが、リクガメ飼育の場合は散光タイプの保温球のみ24時間照射して、ケージ内の温度を保つ方法でもOKです。
保温球には昼用の光が白〜オレンジのタイプと夜用の光が赤や青のタイプがあります。どちらを使用しても問題ありませんが、夜間もつけっぱなしにすることを考えると赤や青の保温球がおすすめです。爬虫類は赤や青色の光を認識しにくいとされており、夜間つけていても明るすぎると感じることはありません。
上部ヒーター
遠赤外線を照射するタイプの保温器具には、ケージ上部に乗せる薄型タイプの上部ヒーターもあります。広範囲を保温する効果があるだけでなく、保温球のように球切れを起こすことがないため、一度購入すると半永久的に使用できます。
ただし、保温球と比較して温度が上がりにくい特性を持ちます。ケージ上部に設置するため、陸生のリクガメにとって十分な暖かさを保つことができないため、リクガメにはあまりおすすめできません。
パネルヒーター
パネルヒーターも、遠赤外線で保温するタイプの保温器具です。
こちらはケージの底面を温めるヒーターで、ホットカーペットのように接している面しか温める効果はありません。空間温度を上げることができないため、保温球を併用して使用する必要があります。
保温球のみでケージ温度が十分であればパネルヒーターを使用する必要はありませんが、冬場に温度が安定しない場合などは補助的な役割で活躍します。
保温球のワット数の選び方
リクガメ飼育には、一般的に保温球を選ぶ方が多いと思います。しかし、保温球にはさまざまな種類があり、特にワット数について悩まれるケースが多く見られます。
保温球のワット数を選ぶ際は、基本的にケージの大きさを参考にしましょう。一般的には、以下のように選ばれています。
ケージのサイズ | 保温球のワット数 |
45cm以下 | 40~50W |
60cm程度 | 50~70W |
90cm程度 | 70~100W |
適したワット数に幅があるのは、室温によって必要なワット数が異なるためです。たとえば、室温が上がる夏にワット数の大きな保温球を使うと温度が上がりすぎてしまう可能性があります。反対に、夏はちょうど良い温度になっていても、同じワット数でも冬は温度が上がらないケースがあるのです。
我が家の場合、ケージサイズ80cmに対して夏場は室温28℃でワット数50W、冬は室温23℃でワット数75Wにしています。
つまり、ホットスポット直下が30〜35℃、涼しい場所が28℃前後になるように、実際に設置してみながら保温球のワット数を調整する必要があります。
迷ったらコレ!おすすめの保温器具

保温器具はさまざまなメーカーが販売しており、「同じような商品が多く選べない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、これを買っておけば間違いない!というおすすめの保温器具を紹介します。
おすすめの保温球
リクガメ飼育には、24時間照射できる赤色タイプの保温球がおすすめ。
なかでも、GEXのヒートグローは入手しやすい保温球で、比較的安価なこともおすすめの理由です。
おすすめのソケット
前述のとおり、保温球だけでは使用できないため、ソケットも一緒に購入する必要があります。ソケットにはクリップタイプやドームタイプなど、さまざまな形のものが販売されています。
ケージのサイズや設置場所を考慮したうえで、適切なものを選択しましょう。
おすすめのソケットは、以下のとおりです。
一般的なクリップスタンドと呼ばれるソケットで、ケージ内に設置するランプステーやケージの縁に挟んで使用します。GEXのクリップスタンドはスイッチ付きのため、コンセントを抜き差しすることなく保温球をオンオフできます。また、アームの部分が2段階に曲がる仕様となっており、角度や向きを調整しやすくなっていることもおすすめの理由です。
ドームタイプのソケットで、ケージ内部に吊り下げたり、別売りのスタンドに吊るしたりして使用します。天井のないトロ船や衣装ケースなどでリクガメを飼育する際など、ケージに直接ソケットを固定できないときに重宝します。
GEXのライトドームにはサイズが2種類あり、上記リンクの14cmと以下の18cmがあります。50Wの場合は14cm、70W以上の場合は18cmを選ぶとよいでしょう。
おすすめのパネルヒーター
パネルヒーターを併用する場合におすすめの商品は、以下のピタリ適温プラスです。
こちらもサイズがいくつかあるため、ケージサイズに合わせて選びましょう。
ケージのサイズ | ピタリ適温プラスの種類 |
45cm | 1号(18×15cm)または2号(22×25cm) |
60cm | 2号または3号(22×43cm) |
90cm | 3号 |
パネルヒーターはケージの底全体に敷くのではなく、1/2〜1/3程度の面積に敷きます。リクガメが暑いと感じた場合に、避難できる場所を確保するためです。
また、パネルヒーターはケージ内ではなく、ケージの外に設置しましょう。パネルヒーターの表面温度は40℃以上になることもあり、ケージ内に敷いてしまうとリクガメが低温やけどを起こしてしまう可能性があります。
リクガメをお迎えする前に保温器具を準備しておこう
暖かい環境が好きなリクガメは、温度が下がると風邪をひきやすくなります。風邪で肺炎を起こしやすいベビーの時期は特に暖かくしておく必要があるため、お迎え前に保温器具を準備することが大切です。
おすすめの保温器具は、赤色の赤外線を照射する保温球です。保温球だけでは使用できないため、ソケットも一緒に購入しましょう。